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復活公開初日から1週間が過ぎました。
あの日は徹夜でしたので、しばらく体調が悪化しましたね苦笑。
さて。
一昨年、TVシリーズ版を見終わったとき、彼が復活したら今度は何に対して反逆するんだろうな?と思っていたら結局反逆しないのが答えでした。
そこに新しい何かは無く、復活映画の彼の行動も全て後始末的なものでしたね。
良くも悪くも世相を反映してるなという印象。諦念し体制に迎合する傾向が強い今の世の中に沿っているのかもしれないですね。だからルルーシュの苛烈なキャラクター性も大人しくなりストーリーも小粒になっている。
ルルーシュと妹、また親友達との関係性があっさりしているのもそのせいでしょうか?
反逆の精神があったからこその繋がりだったのでしょうか?
うーん
今回の彼にあるのは諦念だと思うんですよね。それは悪い方ばかりではないけれど。
私はゼロレクイエムは少年期の終わりの象徴とも受け止めているので、復活後の彼は少年時代のルルーシュではないと考えることもできます。
少年時代の輝きは失われてしまったけれど、大人となった今、それでも生きなければならない責任がある。自らが起こした反逆の結果を拾う旅にでかけるのでしょう。不始末のキッカケとなった悪い魔女に拐われた感も否めませんが。
まあ、実際しーつーをあのように描いたのはそのためでしょう?
舞台の最後、死によって解放されたかに見えた主人公はそれだけでは許されず、魔女に拐われていくのです。。
まあ、ルルーシュはそれも納得しているのでしょうな。
復活というよりも死の延長線上にある停滞の時間、といった風ですが。
今はとりあえずそう考えておきましょう。
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蒔いた種を刈り取った
と言っていいんだろうな「復活のルルーシュ」
タイトルはルルーシュと銘打ってますが、いやこれ主人公はしーつーですよね
しーつーがギアスという種を蒔いてルルーシュという果実をもぎ取る話でした、なんか怖い!!
ここから先はつらつらと、そんな冗長な感想です。
彼女はしっかりファムファタルしてました。男を破滅させる女。皮肉でなくお見事!と言っていいかもしれない。
復活したルルーシュの言動は、あれ?別人じゃん?と思いました。でもね、私って、ついつい忘れがちになるんですが、前に私は結論出したじゃないか、劇場版はTVシリーズとは別世界だって。だから劇場版のキャラは「全て」別人なんだ。それを思い出さなきゃな。
当然、しーつーもTVシリーズの彼女とは別人です。ファムファタルって他の女から見てもなかなか嫌な存在だと思うんですがTVシリーズの彼女は私の頭ん中ではまだ可愛げがありました。それは「共犯者」という立ち位置があったからで。
しかし、劇場版のしーつーは違います。
隙あらば女性としての狡さみたいなものを出してくる。
そして、無印1話のように幼い頃のルルーシュ達の姿を見てないから彼らの絆や想いの強さを知らない。マオの件で後悔した経験が無い。ルルーシュを愛して苦しむシャーリーを知らない。
だからしーつーもスザクやナナリー、シャーリーに対する情は薄い。目的のためなら何でも誰でも手段として使える。
おまけに彼女のギアスは愛されること。あれ?これTVシリーズのみ設定かな?まあこれが無くとも長い長い時を生きてる彼女にとって人の心を操るのも容易いことでしょう。
疑うことを知らないシャーリーならしーつーの願いを簡単に引き受けてくれるかもしれない。
劇場版のルルーシュだってTVシリーズ版シャーリーからのような愛情は知らないから、必然的にしーつーの存在がずっと大きくなりますよね。
ゼロレクイエムだって上手く使って、良い道具にできました。(コード継承には一度死ぬことが必要ならばですが)自らの手を汚さずともスザクが替わりに導いてくれますし。
舞台は移って復活後
ルルーシュを甲斐甲斐しく世話する姿はマオ編を思い起こさせます。でもね、しーつーはそれをルルーシュの妹と親友には全く伝えません。まあ、ルルーシュのあんな中途半端な状態見せられん!と言うのもあるかもしれないですね。だいたい、介護者と要介護者が一対一で隠れ住みながら移動するってムリありますよ。ここはしーつー無茶してるなあと思いますし、歪んだ愛情を感じますね。でも抜け殻のようなルルーシュ君は懐いてくれてるようなので達成感はあったのではないでしょうか。
そしてついに、実はなります。ルルーシュの意識の目覚めです。しかも彼女のピンチを助け「ただいま」と1番目に言ってくれるんですよ。なんて王子様的展開なんだ。
ここまできてあれだな。復活て、しーつーのために全てが動いているかのようですね。
あとは、実が熟すのを注意深く待つだけです。
いかに自分がルルーシュを待ち望み必要としているか機を逃さずうったえる。自分の励ましで好いた男の仕事が成功するって充実感あるのでしょうね。
そうそう、女友達からの視線だって忘れていません。カレンからの遠回しな励ましも得られたことですし足場固めも万全かも。
ナナリーもスザクも自らの役目のために動けない。ルルーシュだって逃げ場は無いのです。
はい、いよいよ最後、間違えちゃいけないとこです。
ここは男に追ってきてもらわきゃいけません。カレンはいい時間稼ぎ役でした。
やりとりの会話もルルーシュの耳に届いたかもしれません。
そして罠にかかるルルーシュ君!いや、もぎ取られる果実だ。
あんた素直だねえ。。
まあ、全て理解していて付いていくんだと思いますけど。
その先に待っているのは恐らく人としてではない生なのですが。ルルーシュは死で償わせてはもらえないようですね。
それにしても
私は劇場版3部作をとおしてルルーシュとスザクの2人の少年の物語を観ているつもりでしたが、水面下でしっかり画策している女の怖さを観せられていたのかな。
愛を求め続けた彼女はついに勝者となったのです。行動の先には結果がある。
以上、しーつーの言動とシャーリーの扱いから考えてみた感想でした。よ。
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えっと、復活のルルーシュ、の感想です。
ネタバレしてます。
こう言いたくなかったですが、出来の悪いファンムービー、のようでした。
深夜に続けて2回観たのでさすがに眠い。箇条書きします。
- ナイトメア戦が駄目、動きや演出に迫力が無い
- スザクの戦闘シーンが無いのが駄目
- ナナリーの扱いがぞんざい、スザクに対してもね
- Cの世界がよく分からん
- ルルーシュがコードを持ちつつギアスも使えるのは何故か
- Cの世界の理が壊れたなら、コードもギアスも消えないのか
- 最後の雨がCの世界と関係しているようには思えるが(眠くて忘れた)、全体的にご都合主義が強すぎる
- 扇とカレンの心残りが回収されたのは良かったが、ナナリーとスザクだって心残りはあるでしょ。そっちは放りっぱなしか
- スザクは結局孤独だ。スザクはTVシリーズからずっと我慢してるのにね
- 復活後のルルーシュが人の命を割りと簡単に奪ってた。ためらってもいない。ナナリーと落ちていったときはギアス使うことを止めたのに、ただそれだけ。
それから、スザクに「従うがいい」って、妙に偉そうだけどそんなこと言うキャラだっけルルーシュ?親友の筈のスザクに対して気遣い足りなく無いかなあ…
スザクとナナリー、そしてルルーシュがひたすら不憫に思う内容でした。
今夜上映ですね
ついに今夜24:00に上映です、復活のルルーシュ。
舞台挨拶回は残念ながら外れましたので、最速上映のチケット取りに頑張りました。映画のチケット取りにあんなに緊張したの初めてだ!
さて、開始まであと10時間を切りましたが、
このコードギアス という作品の核となってきたのはルルーシュ、スザク、C.Cですが、復活以降も果たしてそうなのか。
なーんて、復活の続編となりうるストーリーがあると信じてますけども。
これまでの彼ら3人の関係は無印1話ですべて表現されてますね。スザクはルルーシュを引っ張り次のステージに引き上げる存在。ヒマワリ柄の和装でヒマワリ畑に馴染んで遠く離れて見ているしーつーは傍観者であり背景、そしてその後に2人の少年を翻弄する運命、現象となっていく。
でも、そんなしーつーの立ち位置(大雑把に言うとギアスの世界観の象徴かな)は復活の映画ではガラリと変わりそうです。人間であることを主張してきそうな予感。まあ、劇場版3部作でその片鱗は見せてましたね。皇道では露骨にと言っていいかもしれない。
しーつーにとって、人としての心を捨て去ることが生きる技術であり逃げの道だった、と思います。そうでなければ恐ろしく長い時間の孤独に耐えきれなかった。
そう思ったのは彼女の僅かに残る良心を感じたからですかね。亡国のアキトで小さな子供にはギアスを発現させなかったこととかね。
彼女が長い人生で自らが行なってきたことに対して罪悪感を表明したり悔やむシーンは少ないけど、自分を魔女と呼び人間でないフリをして強がってみせるのが彼女なりの償いだったのかもしれない、と思いたい。
なら、その強がりを捨て、普通の人間としての感情を取り戻した彼女の行く末にあるのは真の罰としての死しかないのでは。
て、考えたら復活のルルーシュってまるでしーつーが主人公みたいですよ、でも明らかに今回は彼女にスポットライト当たってますよね。
うんそうね、なんかね、世代交代の物語な気がする。3人の関係性に大きな変化があるのかもしれないなあと、ちょっと怯えてます。
でも、後は待つだけ!